平河口ひらかわぐち)” の例文
吉宗と万太郎が、やがて望楼を降りてゆきますと、今しも、一挺の不浄駕籠ふじょうかごは江戸城の番士に固められて、平河口ひらかわぐちへ送られようとする矢先でした。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すこしでも刀を抜いているところを見付けられでもしようものなら、弁解べんかいも何も取り上げられずに、そのまま平河口ひらかわぐちから網乗物あみのりものほうり込まれて屋敷へ追い返されることになっているのだ。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「捕り押えました曲者、かねてのお指図どおり、ただ今不浄駕籠にのせて、平河口ひらかわぐちから宗門役人の手へさし渡しまするが、それにてよろしゅうございましょうか」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『嘘なものか。平河口ひらかわぐちから、伝奏屋敷でんそうやしきへ、早馬が出た』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)