山門ヤマト)” の例文
そして目前の山門ヤマトの薄の穂のあり様を半分叙述するかしない中に、うなだれて泣く別後の女の様を考へ、それから其穂を垂らす朝雨に注意が移つて
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
山門ヤマトの薄一本にかゝる朝雨を捉へて居る処も、客観描写の進んだ時代の物とすれば、不思議はない。
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
筑紫の山門ヤマト郡の名称が、神武天皇の大和に入られたのと同時に、ついて来た名称とも考へられる。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
……群鳥の わが群れなば 引け鳥の 我が牽けなば、哭かじとは 汝は云ふとも、山門ヤマト一本薄ヒトモトスヽキ ウナカブし 汝が哭かさまく、朝雨の さ霧に彷彿タタむぞ。……(八千矛神——記)
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)