山王台さんのうだい)” の例文
とある雨の夜、父は他所の宴会に招かれてけるまで帰らず、離れの十畳はしんとして鉄瓶のたぎる音のみえる。外には程近い山王台さんのうだいの森から軒の板庇いたびさしを静かにそそぐ雨の音も佗しい。
やもり物語 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)