“屠殺者（とさつしゃ）” の例文
わしが思い出したのはその泣き声だったのだ。その報いが今来たのだなと思った。屠殺者（とさつしゃ）の庖丁は今に下りそうで下らない。その時わしはうなされて目がさめたのだ。
出家とその弟子 (新字新仮名) ／ 倉田百三(著)
それは分配物を殺す屠殺者（とさつしゃ）によってなさるる分配である。ゆえにそれらのいわゆる解決に止まることは不可能である。富を殺すことは決して富を分配することではない。
レ・ミゼラブル：07 第四部　叙情詩と叙事詩　プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌 (新字新仮名) ／ ヴィクトル・ユゴー(著)
罪のない好奇と驚異の眼をこの浮き島の上の残忍な屠殺者（とさつしゃ）の群れに向けているのである。
空想日録 (新字新仮名) ／ 寺田寅彦(著)
「あいつは屠殺者（とさつしゃ）に向う時もああ云う目をするのに違いない。」
夢 (新字新仮名) ／ 芥川竜之介(著)
「間諜、」と麗わしいアンジョーラは言った、「われわれは審判者だ、屠殺者（とさつしゃ）ではない。」
レ・ミゼラブル：07 第四部　叙情詩と叙事詩　プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌 (新字新仮名) ／ ヴィクトル・ユゴー(著)