居周いまわり)” の例文
生家さと居周いまわりにある昔からの知合の家などであったが、受けて来る仕事は、大抵詰襟つめえりの労働服か、自転車乗の半窄袴はんズボンぐらいのものであった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
崖造がけづくりの新しい二階などが、蚕の揚り時などに遊びに来る、居周いまわりの人達を迎えるために、地下室の形を備えている味噌蔵の上に建出されてあったりした。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「この町は先ずこれだけのものだけれど、居周いまわりには、またそれぞれ大きな家があるからね」壮太郎は、茶盆や湯沸をそこへ持出して来ると、羽織をぬいで胡坐あぐらきながらつぶやいた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)