尼僧あまさん)” の例文
彼女が未だこの下宿へ通って来る頃には、あの僧侶ぼうさん尼僧あまさんとの伝説に関したものを見つけて置いてそれを彼女に読ました事を思い出した。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
あのペエル・ラセエズの墓地で見て来た古い御堂の内にまくらを並べて眠っていた僧侶ぼうさん尼僧あまさんとの寝像が物を言うように成った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
寺院おてらの入口に立つまだ年若な一人の尼僧あまさんが岸本に近づいた。遠く東洋の空の方から来た旅人としての彼を見て何か寄附でも求めるらしく鉄鉢てっぱつのかたちに似た器を差出して見せた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)