小名路こなじ)” の例文
そうですか、小名路こなじの花屋のお若さんといえば、甲州街道きっての評判でございましたよ、街道を通る人が花屋のお若さんから、お茶を
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
小名路こなじの宿から本式に駒木野の関所を通って、小仏峠から小原、与瀬へとかかって上野原へ行くのが順なのを、五十町峠からこの道を取るのは、厳密にいえば関所破りにはなるが
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
と言う声で気がつくと、そこは小名路こなじの宿でもなければ、小仏の峠道でもありません。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
たしか、この女の郷里は、ここから程遠からぬ小名路こなじ宿しゅくの、旅籠屋はたごやの花屋の娘分として育てられた女であります。のぞいている提灯にも、花という字が大きく書いてあるのでわかります。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
小名路こなじの宿を通ると、雲助連中が、小仏へ天狗が出た、天狗が出たというから、よく聞いてみると、なんのことだ、天狗というのは、おおかた兄貴のことだろうと俺だけに察しがつくと
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「はい、小仏へ二里、八王子へ二里半の、浅川宿の小名路こなじでございます」
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
また庚申塚のはずかしめの時から、夢のようにここまで導いて、蛇滝の参籠に骨を折ってくれた小名路こなじの宿の女も、たしかに宿に隠れているはずだ。理想のない人には、人生が色と慾とよりほかにはない。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)