“小刀（マキリ）” の例文
しかし、これだけでは、どれが誰（だ）れの弾丸で、どれが熊の生命（いのち）をとつたのか分りませんから、二人は小刀（マキリ）を出して、その局所（ところ）を切り開いてみました。
熊捕り競争 (新字旧仮名) ／ 宮原晃一郎(著)
「なぜ穴を掘って埋めんのか。これでは鳥の餌になってしまうじゃないか」と詰（なじ）ると、狭山は自分の腰にさげたアイヌの小刀（マキリ）を示しながら、鶴嘴はみな焼けてしまい、この小刀一梃では
海豹島 (新字新仮名) ／ 久生十蘭(著)
腰の小刀（マキリ）をとることが出来さへすれば、熊の心臓を一刺しに突き刺してしまふのですが、さうするために、うつかり片手を放さうものなら、振り落される恐れがあるので、仕方なしに
熊捕り競争 (新字旧仮名) ／ 宮原晃一郎(著)