対州たいしゅう)” の例文
旧字:對州
杉山茂丸の依嘱を受けて憲政擁護運動のため九州に下り、玄洋社の二階に起居し、のち、大正六七年頃、対州たいしゅうの親戚某氏の処で病死した。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
水戸浪士はもはや水戸斉昭ではない。主幕藩的公武合体運動の頭目たる首相安藤対州たいしゅうを襲撃した彼の坂下門さかしたもん事件が、藩士尊攘派の幕末史へのデビューである。
尊攘戦略史 (新字新仮名) / 服部之総(著)
魚市場せりばへ行ってみると、黒い背甲せこう擦剥すりむいて赤身をした奴がズラリと並んで飛ぶように売れて行ったものだが、これは春先から対州たいしゅうの沿岸を洗い初める暖流に乗って来た鰤の大群が
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)