家中やうち)” の例文
叔母一行が来て家中やうちが賑つてる所へ、夕方から村の有志家が三四人、門前寺のやなに落ちたといふ川鱒をつて来て酒が始つたので、病床のお柳までが鉢巻をして起きるといふ混雑
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
なにがしとよばるるドクトルも小首をかたむくるほどなれば。家中やうちの混雑一方ならず。このごろ養子つとむが帰朝以来。「こう忙がしくってはたまらん」など。取次ぎの書生の苦情もかしまし。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)