どなたも、すでにご存じのあるように、生死しょうじの惑いをのがれ、仏道の安心立命あんじんりゅうめいに至る道に、二つの道があります。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
金持になりたい人々の参考すべき「何とか押切帖おしきりちょう」の類であろうが、またこれに対する著者の評は、金のたまらぬ人間の安心立命あんじんりゅうめいの考え方を示すものである。
徒然草の鑑賞 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
宗教は絶対の神仏に帰依きえし、完全に自己を否定することによって、救いと安心立命あんじんりゅうめいを得ようとする。
政治学入門 (新字新仮名) / 矢部貞治(著)
先に述べたような個人の安心立命あんじんりゅうめいと魂の救いに関する宗教の価値や、正義と善への人間の自由意思の志向である道徳の価値と、すぐに同一視することはできないのである。
政治学入門 (新字新仮名) / 矢部貞治(著)