孱細かぼそ)” の例文
しかし相手は孱細かぼそい娘である。まさかに物取りや巾着切きんちゃっきりでもあるまい。文字春は今年二十六で、女としては大柄の方であった。
半七捕物帳:16 津の国屋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お前だからまあその位のことで済んだが、あんな孱細かぼそい娘っ子が荒熊に取っつかまって見ねえ。どんな大怪我を
半七捕物帳:29 熊の死骸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
たとい平安時代の殿上人にもせよ、実雅はともかくも武人の少将である、しかも力自慢の大男である。その大男に強くひかれて、孱細かぼそい左少弁は意気地もなくへなへなとそこに引き据えられた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)