姪女てつぢよ)” の例文
先づ茶山をして心を労せしむるのは姪女てつぢよきやうの病であつた。敬は二年前に江戸に於て夫北条霞亭を喪ひ、幼女とらを神辺かんなべに帰り、前年の秋に又其幼女をさへ喪つた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「北条妻は私が姪女てつぢよ也。ことさらの鈍物、御世話奉察候。初め東行仕候時、(去々年也)心に落着いたさずつらき事、何ごとも必辞安先生に申上よと申遣候。いかが候や覧。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)