天鵞毧びろうど)” の例文
踏む石は天鵞毧びろうどのごとくやわらかと見えて、足音をしょうにこれをりっすれば、動かぬと評しても差支さしつかえない。が輪廓は少しく浮き上がる。余は画工だけあって人体の骨格については、存外ぞんがい視覚が鋭敏である。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)