天目形てんもくなり)” の例文
けれどいま、道誉が彼をみちびいた離れは、田舎びた無仏の一堂で、一幅の壁画と、棚には錫の茶壺ちゃこ天目形てんもくなりの碗などがみえ、庭園の休み所らしいおもむきはあるが、闘茶の茶寄合の俗風はどこにもない。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)