大縮尻おほしくじり)” の例文
大縮尻おほしくじりよ、曲者を納戸に封じ込んだつもりで安心して居るうちに、納戸の格子を二本叩き斬つて飛出してしまつたのさ」
弟の仕事場から、切出しを持つて行つたのが大縮尻おほしくじりで、何にも知らない弟に罪をかぶせちや、見て居るわけに參りません。
それから、幸七が頬冠ほゝかむりの男の話をしたのは、若旦那の傳四郎に疑ひをきせようとした細工だが、あれは大縮尻おほしくじりさ。
源次が谷中で殺された晩の助十郎、平馬、周吉などの動きを調べるつもりでしたが、これは平次の大縮尻おほしくじりでした。
「飛んでもない、もうすこしで取返しのつかない大縮尻おほしくじりをやらかすところよ。——岡つ引は本當に怖い。自分の腕や智慧にたより過ぎると、大變なことになる」
「この通り、——親分はさすがに目が高けえ。峰の減つた、使ひ古しの剃刀かみそりとうを卷いた柄が、少し地べたの外へ顏を出してゐたのが、曲者の大縮尻おほしくじり天罰てんばつてきめんといふところだ」
相變らず捕物の名人の錢形平次が大縮尻おほしくじりをやつて笹野新三郎に褒められた話。
「相手は容易ならぬ曲者だ。——なア、八、白状すると、俺の方も大縮尻おほしくじりさ」
大縮尻おほしくじりだよ、八。福島嘉平太を殺したのは、どうも岩根半藏ぢやねえ」
大概の事件は一日のうちに片付けて、女房のお靜の晩酌のサービスを滿喫する平次ですが、この時ばかりは大縮尻おほしくじりで、ぼんやり歸つて來て、八五郎を相手に、ホロ苦い盃をめて居る眞最中でした。
「親分、大縮尻おほしくじりさ。こんなヒドい目に逢つたことはねえ」
「こいつは全く一世一代の大縮尻おほしくじりでしたよ」
大縮尻おほしくじりだよ。でも、これでよかつたのだ」
まさに、錢形平次一世一代の大縮尻おほしくじりです。