大機だいき)” の例文
又十郎の呼吸いきが少したかい。顔は最初の血潮がせて、蒼白になっていた。それに反して、綾部大機だいきれた体の構えには、まだ何ら不安なきざしがない。
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大機だいきは、然らば待とうという。門番はその無益をさとして、追い返そうと努めた。こういう来訪者は、際限なくあるからである。すると大機は、門番の言葉じりを取って
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)