“売淫（ばいいん）” の例文
けれども日本では、父が、売淫（ばいいん）のために娘を売つたり、或ひは雇（やと）はせたりしても、法律はこれを罰しないのである。のみならず、それを認可するのである。
日本の女 (新字旧仮名) ／ 芥川竜之介(著)
飢饉（ききん）、不正利得、困窮から来る売淫（ばいいん）、罷工から来る悲惨、絞首台、剣、戦争、および事変の森林中におけるあらゆる臨時の追剥（おいはぎ）、それらももはや恐るるに及ばないだろう
レ・ミゼラブル：08 第五部　ジャン・ヴァルジャン (新字新仮名) ／ ヴィクトル・ユゴー(著)
それにもっと進歩した新しい売淫（ばいいん）制度でも案出されるならいざ知らずとにかく一目で看通（みとお）しがつき、統制の取れるような組織になっているこの許可制度は、無下に指弾すべきでもなかった。
縮図 (新字新仮名) ／ 徳田秋声(著)
それは若い娘の売淫（ばいいん）であった——言う意味は、規則的な、普遍的な、貞節な、瑞正な、家庭的な、おまけに社会的な、売淫である。——最近に現われた巧妙な一事が、この問題に範例をたれていた。
ジャン・クリストフ：07 第五巻　広場の市 (新字新仮名) ／ ロマン・ロラン(著)
頭脳的売淫（ばいいん）の同じ精神が、至るところに支配してるようであった。
ジャン・クリストフ：07 第五巻　広場の市 (新字新仮名) ／ ロマン・ロラン(著)
そしてその名を売淫（ばいいん）という。
レ・ミゼラブル：04 第一部　ファンテーヌ (新字新仮名) ／ ヴィクトル・ユゴー(著)