地団太ぢだんだ)” の例文
旧字:地團太
泣き叫び乍らその胸にひしと抱きついた——それをちらりと見た時、彼は泣きも得ず只地団太ぢだんだを踏んで、なほ終り迄それを見続けようとする伯父の頭髪を滅多矢鱈やたらにむしつた。
お節が自分の肌に押当てゝ小さな足を温めてやつた時の子供の寝顔は、すこし前まで地団太ぢだんだ踏んで怒つたり戸を蹴つたりして激しく泣いた文ちやんと思はれないほどの愛らしさが有つた。
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)