土倉つちぐら)” の例文
すべてこの町の、かうした家では、何か薄暗い土倉つちぐらのやうな土間があつて、それが相当だゝつ広い領分を占めてゐるので、夏は涼しい。
町の踊り場 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
道誉の影は、荒れ庭のすみに見える低い土倉つちぐらの口へ呑まれるように消えていた。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「家に土倉つちぐらを持つ者なら、その土倉や納屋なやふうをして、稼業も差し止めい」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)