喃語つぶや)” の例文
水は障子の外をゆるく流れていた。榊、正太の二人は電燈の飾りつけてある部屋へ三吉を案内した。叔父の家へ寄る前に、正太が橋のたもとで見た青い潮は、耳に近くヒタヒタと喃語つぶやくように聞えて来た。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)