咢堂がくどう)” の例文
亡ぼすものは胡なりの胡だ。堂という字はそれ、木堂ぼくどう咢堂がくどう奎堂けいどうなどといって皆んなエライ人は堂という字をつける。それにきめておけ
尾崎咢堂がくどうは政治の神様だというのであるが、終戦後、世界聯邦論ということを唱えはじめた。彼によると、原始的な人間は部落と部落で対立していた。
続堕落論 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
尾崎咢堂がくどうも八王子ッ子だと言えば言えるんだが、あいつぁ共和演説だからおらあ虫が好かねえ——それから学者で塩野適斎、医者の方では桑原騰庵……天然理心流の近藤三助、国学で落合直文なおぶみ——
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
十九歳で新潟新聞の主筆であつた尾崎咢堂がくどうが父のことを語つてゐる話があり、私の父は咢堂の知る新潟人のうち酔つ払つて女に狎れない唯一の人間だつたさうだが
石の思ひ (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
尾崎咢堂がくどう、犬養木堂の両堂が、真ッ向から肉薄した弾劾だんがい演説は、日本の雄弁史に永遠に残るものだ。
胡堂百話 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
毎日新聞所載、尾崎咢堂がくどうの世界浪人論は終戦後現れた異色ある読物の一つであつたに相違ない。
咢堂小論 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)