和布刈めかり)” の例文
私は今も憶えているが、明治の末ごろ、友だちと九州へ行った時、門司で有名な和布刈めかり神社か早鞆はやとも神社か、とにかく式内社に行った。
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
和布刈めかり神社に至る。門司甲宗八幡宮にて披講。「船見えて霧も瀬戸越す嵐かな 宗祇」の句を刻みたる碑あり。
六百句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
門司市外の和布刈めかり神社から、速鞆はやともノ瀬戸や壇ノ浦附近を、日の暮れないうちに見ようというわけである。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここの速鞆はやともの神主が、大晦日の晩には衣冠をつけ、鎌と松明を持って、わかめを刈り、神前と国主に供えたのが始まりで、それが謡曲の“和布刈めかり”であります——と
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、悟空子のいうがままに、和布刈めかり神社の裏をまわって、岬の山へ登ってゆく。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)