名乗なのら)” の例文
旧字:名乘
忠知はそれを面倒に思って、家来に自分の名を名乗なのらせて面会させた。すると、その家来が悪心を起して、その席の一人の侍の懐中を盗んだ。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
金三郎は娘の顔に母親の昔の俤を見出みいだして、娘の亭主と争ってそれを連れ出し、三十七年前の母親のお染の名を名乗なのらせて小牛田に泊り、その時のみたされない恋の遊戯をそのままくり返したのだろう