史家しけ)” の例文
次の日は仲秋節ちゅうしゅうせつ。——史家しけの小作や奉公人は、昼から莚席えんせきの支度に忙しかった。羊をほふあひるや鶏をつぶすこと、何十羽かわからない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
生半可なまはんか、彼が世上慾に目をひらいて、先祖代々からの庄屋づとめや百姓仕事を嫌いだしたら、かえって、わしの仕込んだ道も、史家しけにとってはあだになる
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かくて教頭王進の母子おやこは、そのまま史家村に居着いてしまった。そして史家しけ嫡男ちゃくなん九紋龍一人のために、かつての禁軍八十万の師範王進が、日々手をとって武芸十八般にわたる秘技を指南した。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)