というのは、参考書として、仏典の字引を求めて来るつもりのを、ついして、机の上に持ち来たしたところを見ると「古今著聞集ここんちょもんじゅう」。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
前にも言っておいた瀬戸内海の西部、伊予の黒島の鼠の話というのは、『古今著聞集ここんちょもんじゅう』の巻二十に記録せられて、古い話であるが作りごとではなかったと思う。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
あるとき、成光が閑院内裏かんいんだいりのふすまに鶏の絵をかいたところが、生きた鶏がこの絵を見てほんものの鶏と思って蹴ったということが、昔の「古今著聞集ここんちょもんじゅう」という本に書きのこされている。
と『古今著聞集ここんちょもんじゅう』は伝えている。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
古今著聞集ここんちょもんじゅう』の第十五章には幾つか見えているが、その一二を挙げるならば時弘ときひろという男
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)