口説クドキ)” の例文
普通我々が言ふ長篇の口説クドキ節以外に、どゝ逸に近い形の——なげ節以前から見えて居る傾向の——短い口説が出来て居つて、其が長い叙事詩の代りをして居つた。
「ことほぎ」を「こどき」と言うた事は其条に述べたが、此も亦、祭文として芸術化したものと見れば、後世の「口説クドキ」と言ふ叙事風な語り物の本義が知れるのである。
それが人気を集めたので、後々までも、人形舞はしの事を京太郎、と言ふ様になつたのであらう。彼等が持つて居る歌を見ると、念仏系統の歌——寧、口説クドキ風の歌——が多い。
口説クドキの中に男女間の口舌クゼツや妄執・煩悶ばかりを扱はぬ純粋な叙事詩もあるのである。