取仕切とりしき)” の例文
「枕山先生の葬式は万事門下の人たちが取仕切とりしきってやったのだという話です。谷中の瑞輪寺ずいりんじへ葬ったのはお寺が近かったからだというはなしです。」
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そして適當な家を目付けて、其を借りることになツたが、敷金家賃其の他一切の話合はなしあひすべて綾さんが取仕切とりしきツて、由三は只其のあとについて挨拶するだけであツた。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
自分はいい気になって、ずいぶん姉様をもないがしろに取仕切とりしきった、それでも姉夫婦は自分が宇津木へ縁づくについてはさまざまに力を入れてくれ、この着物なども姉様が手縫てぬいにして下すったもの。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)