原稿紙かみ)” の例文
馬鹿らしい独言ひとりごとを云って机の上にらばった原稿紙かみふるペンをながめて、誰か人が来て今の此の私の気持を仕末しまつをつけて呉れたらよかろうと思う。
秋風 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
丁度うっとりと眠ってでも居るかと思われるほど長い黒い「まつ毛」がジイッとして、うすい原稿紙かみを持って居る細やかな指もぴりっともしない。
千世子(二) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)