剃刀そり)” の例文
折角の安さんの親切も、無駄であった。然し剃刀そりがあった処で、あの安さんの清潔きれいな手では全く恐れ入る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
剃刀そりの刃を合わせていた甚八が、急に何か思いついたように大声を出した。
何時いつ、如何な事情の下に乞食になったか、余程話を引出そうとしても、中々其手に乗らぬ。唯床屋をして居たと云う。剃刀そりぐのでもありませんか、とある時云うた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)