刹那刹那せつなせつな)” の例文
無目的と、享楽と、その刹那刹那せつなせつなを楽しんで行こうという女と調子は合わせられない。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
処女の体を呑んだ紙帳は、ほんのちょっとの間、サワサワと揺れたが、すぐに何事もなかったように静まり、その上を、眼白や頬白が、枝移りしようとしてけり、その影を、刹那刹那せつなせつな映した。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)