“せつなせつな”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
刹那刹那66.7%
刹那々々33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
無目的と、享楽と、その刹那刹那せつなせつなを楽しんで行こうという女と調子は合わせられない。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
処女の体を呑んだ紙帳は、ほんのちょっとの間、サワサワと揺れたが、すぐに何事もなかったように静まり、その上を、眼白や頬白が、枝移りしようとしてけり、その影を、刹那刹那せつなせつな映した。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
どうかすると何かしら絶えず陰謀をたくらんでいる油断もすきもない悪い女のように見えたり、刹那々々せつなせつなに燃え揚がる情熱はありながらも、生活的に女らしい操持に乏しいところから
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
寄り場のない霊を、彼は辛うじてその刹那々々せつなせつなの宿りに落ちつけようとしたが、それは単に気分の一時の変化を楽しむだけで、どこへ行っても寂寥せきりょうが彼を待っているにすぎなかった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)