内裏うち)” の例文
あの方がますます私からおれがちになっていられる間も、私の家は丁度あの方が内裏うちから御退出になる道すじにあたっていたので
かげろうの日記 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
「昼間、内裏うちなどに入らっしゃるようなお積りで、此処にだって入らっしゃれませんか?」と半ば常談のように言い足した。
ほととぎす (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
毎日のように、道綱は内裏うちに一人で出て往っては、また一人で淋しそうに帰ってくる。
かげろうの日記 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
どうしてそんな女の事なんぞを私にもっと出来るだけお隠しなすって、いま暫くなりと、「内裏うちへ」——などと仰ゃってでも、私をおだましになっていて呉れられなかったものなのだろうか。
かげろうの日記 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)