兵部大輔ひょうぶたいふ)” の例文
柳の花の飛びちっている朱雀大路すざくおおじを、長安かなんぞの貴公子然として、毎日の日課に馬を乗りまわしている兵部大輔ひょうぶたいふの家持のすがたは何んともいえずたのしいし、又
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
兵部大輔ひょうぶたいふ大伴家持は、偶然この噂を、極めて早く耳にした。ちょうど、春分から二日目の朝、朱雀大路を南へ、馬をやって居た。二人ばかりの資人とねり徒歩かちで、驚くほどに足早について行く。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)