似而非にてひ)” の例文
似而非にてひ」なるものの存在を極度に排斥するわれわれの潔癖が、さういふものを許さないのではないかと思ふのです。
似而非にてひ贋造がんぞうといったようなあまりかんばしくない要素を含んでいるが、また一面においてはそうしたかんばしくないものを、もう一ぺんひっくりかえして裏から見たときに
映画雑感(Ⅶ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
常人の企及す可からざる精勵をなすが如き、かゝる事例は世に稀ならぬことであるが、此等の中には眞に張る氣を生ずるに至れるも有れど、多くは似而非にてひなる氣の働で、張る氣では無い勝である。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)