伊之吉いのきち)” の例文
なんぼ狸の胤だからッて人間に生れて来た二人に名を付けずにも置かれぬから、男は伊之吉いのきち女はおよねと名を付ける事になりました。
そのうちのひとりに、ちょっと話したい用があるというと、それは伊之吉いのきちという大番頭であった。伊之吉は一空さまをじろじろ見たのち、急に愛想あいそうよく招じ上げて、店の裏の小座敷へ案内して行った。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)