仰向おあむ)” の例文
五月躑躅さつきの葉蔭に、学生服の少年が咽喉のどから胸許むなもとにかけ真紅まっかな血を浴びて仰向おあむけにたおれていた。青年は芝草の上に膝を折って、少年の脈搏を調べ、まぶたを開いて瞳孔どうこうを見たが、もう全く事切れていた。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)