糟谷かすやはつくづくと、自分が過渡期かとき中間ちゅうかん入用にゅうようざいとなって、仮小屋的任務かりごやてきにんむにあたったことをやんだ。なみだがいつのまにかまぶたをうるおしていた。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)