今世こんじょう)” の例文
逢うが別れの今世こんじょうに、臨終いまわのなごりをおしむため、華燭かしょく銀燈輝いて、見返る空に月のごとき、若竹座を忍んで出た、慈善市バザアの光を思うにつけても、横町の後暗さは冥土よみじにもまさるのみか。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)