五箇いつつ)” の例文
と言って山崎譲が、七兵衛の手につまみ上げたものを見ると、それは径一寸ばかりの真鍮しんちゅうの輪にとおした、五箇いつつほどの小さな合鍵でありました。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
五箇いつつの握飯のうち三箇を食べてしまって、あと二箇を残しておいたことは紛れもなき事実であります。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
まして小兵こひょうながら健啖けんたんな米友が、この場合に五箇いつつの握飯を三箇みっつだけ食べて、あとを残すというようなことがあろうとも思われませんのです。けれども水は尽きてしまいました。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)