二方にほう)” の例文
また変に……それまでは、二方にほうに五十六枚ずつか——添水に向いた縁は少し狭い——障子が一枚なり、二枚なり、いつも開いていたのが、翌日から、ぴたりと閉りました。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
此処ここは板敷で、中央に拡げた方一間はういつけんあまりの古絨毯ふるじゆうたんほかには、一枚の畳も敷いてはない。さうして東と北の二方にほうの壁には、新古和漢洋の書物を詰めた、無暗に大きな書棚が並んでゐる。
漱石山房の秋 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)