二尺指にしゃくざ)” の例文
僕は母や伯母おばなどが濁り水の中に二尺指にしゃくざしを立てて、一分いちぶえたの二分殖えたのと騒いでいたのを覚えている。それから夜は目をますと、絶えずどこかの半鐘が鳴りつづけていたのを覚えている。
追憶 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)