二一天作にいちてんさく)” の例文
常識では測れない、二一天作にいちてんさくでは割りきれない心的作用によって、千態万様に表われ来る所のものが「術」だと思うのであります。
歸するところ、外界の法則と内心の作用とは一致して居るので、『二一天作にいちてんさくの五』は、直ちに之を倫理にも應用することが出來る。
神秘的半獣主義 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
世の中の仕組は二一天作にいちてんさくが七にもなれば三にも九にもなるんだ、現にこうして、おれは得石先生と立てられている、病家には旗本御家人衆もあるんだ、よく覚えておけ
五瓣の椿 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
こういう結果になってみると、やはり世の中には二一天作にいちてんさくの五ばかりには行かず、二四にしが九であったり、三五十九さんごじゅうくである場合も常に心得ておかなければならないかも知れぬ。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それが二一天作にいちてんさく、いきさつどころか、はっきり割切れたはなしだったわ、あの人がのぼせあがって、あたしに付きまとえば付きまとうほど、あたしにはあの人がいやでいやでたまらなくなったの」
滝口 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)