了哲りょうてつ)” の例文
ふりかえると、そこには、了哲りょうてつが、うすいものある顔をにやつかせながら、彼のてのひらの上にある金無垢の煙管をもの欲しそうに、指さしていた。
煙管 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
調子にのって弁じていた了哲りょうてつと云う坊主が、ふと気がついて見ると、宗俊は、いつの間にか彼の煙管入れをひきよせて、その中から煙草をつめては、悠然と煙を輪にふいている。
煙管 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ことに、了哲りょうてつが、八朔はっさくの登城の節か何かに、一本貰って、嬉しがっていた時なぞは、持前の癇高かんだかい声で、頭から「莫迦ばかめ」をあびせかけたほどである。彼は決して銀の煙管が欲しくない訳ではない。
煙管 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)