乳兄弟ちきょうだい)” の例文
外記とはいわゆる乳兄弟ちきょうだいのちなみもあるので、お時が番町の屋敷へ行くたびに、外記の方からも常に十吉の安否をたずねてくれた。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
栄三郎は今まで千住竹の塚の乳兄弟ちきょうだい孫七方にころがりこんでいたものと知れて、お藤にふきこまれたお艶の疑念ぎねんはあとかたもなくはれわたったが
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
多分乳母ばあやさんので、乳兄弟ちきょうだいとでもいうようなんじゃありませんか。何しろ一方なりませんおしゅうおもい、で、お嬢さんがね、あつい、あついとおっしゃる度に、額からたらたら膏汗あぶらあせを流すんですよ。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)