中継なかつ)” の例文
馬車がここに着いて、この中継なかつぎの宿屋の門に立っていると、佐々木君も峠を越してちょうどこの村にはいって来た。
黄昏 (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
しかも、いつない源十郎の意気ごみが二人の胸へもひびいて、与吉は中継なかつぎとしてここにのこり、お藤と源十郎が栄三郎のあとを追うことになった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ゆえに生物学上から見て、そこに中継なかつぎをし得なく、その義務をおこたっているものは、人間社会の反逆者であって、独身者はこれに属すると言っても、あえて差しつかえはあるまいと思う。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
つまりわれらは、続かす種属の中継なかつぎ役をしてこの世に生きているわけだ。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)