“不退転”の読み方と例文
読み方割合
ふたいてん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
じっさいのところ選り好みしようにもほかにどんな金儲けの能力も持ってなかったからなんだ……おれはこれでも絵かきだったんだぜ。十七の年から十五年の間、不退転ふたいてん精進しょうじんをした。
黒い手帳 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
不退転ふたいてんの心さえあれば、大事は決行できる、それは誰よりも里見老が知っている筈だ、もしもわれわれが仕損じたら、里見老は必ず遺志を継いでくれるだろう、そのほかに人はいない
私の流儀は不退転ふたいてんの精神を躰得たいとくすることにある、生死にまどわず、大事に処してあやまたない金剛心こんごうしん、それを会得することが目的なのだ、口で云うのは易いが、私は稽古のなかから感知してもらいたかった
花も刀も (新字新仮名) / 山本周五郎(著)