三才駒さんさいごま)” の例文
そうそう、あの馬は太郎さんに頼んで盗ませようかしら。陸奥出みちのくで三才駒さんさいごまだっていうから、まんざらでもないわね。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
馬は言うまでもなく、沙金しゃきんが目をつけた、陸奥出みちのくで三才駒さんさいごまであろう。すでに、盗人たちがちりぢりに、死人しびとを残して引き揚げた小路は、月に照らされて、さながら霜を置いたようにうすじろい。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)