一什しじゅう)” の例文
と、孫新は女房から聞く一ぶ一什しじゅうにただ唸って、深く腕ぐみを結んだままだったが、やがてこうぼそっといった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あの観音堂の内陣の扉に隠れて、一一什しじゅうの様子を、のこらず聞いていたのだった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これへ落ちて来たいきさつの一ぶ一什しじゅうと、各自の年齢、異名、苗字みょうじ姓名までをすっかり聞き取り、それを書状にするやいな、すぐ手下の一人に命じて、対岸の山寨さんさいへ持たしてやった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いちぶ一什しじゅうは、のべつ隣の王婆が、裏の台所口へ来ては、ち聞きしている。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)