“るいかん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
類癇66.7%
涙管33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
数年のあいだ私は奇妙な病気に悩まされていたが、医者はその病気を、それ以上はっきりした病名がないために類癇るいかん(10)と呼ぶことにしている。
すべてのはっきりした類癇るいかん性の病の常として、胸と顔とにかすかな赤みのようなものを残し、死人には実に恐ろしいあの疑い深くためらっているような微笑を、唇に残していた。
マデリン嬢の病には、熟練した医師たちもはやずっと前からさじを投げていた。慢性の無感覚、体の漸進ぜんしん的衰弱、短期ではあるが頻繁ひんぱん類癇るいかん(2)性の疾患などが、世にもまれなその病の症状であった。
涙管るいかんの関が切れて滂沱ぼうだの観を添うるがためでもない。いたずらに劇烈なるは、壮士が事もなきに剣を舞わしてゆかるようなものである。浅いから動くのである。本郷座の芝居である。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)